梅雨時の湿気の影響

 今年は春先から雨の日が多く、5月から台風が来るなど例年になく湿度の高い日が続いています。梅雨入りしてからも雨が多く“うっとうしい”毎日です。

 ところで、この“うっとうしい”という言葉ですが、漢字では“鬱陶しい”と書きます。漢方理論でも湿気は“気”の巡りを邪魔するので、湿度が高くなると鬱な気分になりやすいですが、湿気の影響はこれだけではありません。

 湿度の高い日が続くと、五臓の脾は“湿を嫌う”といわれ、胃腸機能が低下して体内の水分代謝が乱れやすくなり、むくみ、軟便、おりものなどが増えて、お肌やくちびるが乾燥しやすくなります。結果的に、体内に余分な湿気が増えて、朝起きてから午前中からだが重だるい、頭が締めつけられるように重く感じる(頭重感)といった症状があらわれやすくなります。特に日頃から胃腸が弱い方は、梅雨時にはこのような症状が強くなります。

 胃腸の水分代謝機能に関しては、あまりピンと来ない方が多いですが、胃腸には飲食物以外に毎日10リットル以上もの唾液や胃液、胆汁、膵液など生理的に分泌される水分が流れ込んでおり、これらの大半が腸で再吸収されています。よって胃腸機能の低下は水分代謝に直結します。

 また、胃腸に悪影響を与える環境因子としては湿気(湿邪)以外にも冷え(寒邪)

 

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