「お茶って自分の家で作れるんですか」

 一昨日の朝日新聞の天声人語に表題のセリフが紹介されていました~“ある人が幼稚園で講演したとき、若い母親に「お茶って自分の家で作れるんですか」と聞かれた。「はい」と答えると、彼女はこう言ったそうだ▼「私のお母さんがお茶を作っているところ、見たことがない。いつもペットボトルのお茶を飲んできた」。彼女はどうやら、お茶を「いれる」という言い方も知らないらしい”

 この話に続いて、冬に家で飲むお茶を「急須でいれる」と答えた高校生が2割しかいなかったという福岡県でのアンケート結果も紹介されていました。この件に関しては、朝日新聞の別のところに記事としても掲載されていましたが、「麦茶などを沸かして冷やす」が50%で最多、「ペットボトルのお茶を購入」が13%、「水を飲む」が15%となっていました。

 こういった現実に対して、天声人語でも、”市販の飲料は手軽でいいが、文化や歴史をまとうお茶と無縁に子らが育つのは寂しい”と記されてましたが、食養生の立場からは恐ろしいの一言です。

 冬の寒い時期に、8割近くも、おそらくは冷蔵庫からペットボトルを取り出して冷たい水やお茶を日常的に飲んでいるわけです。胃腸は気力の発生源ですので、日常的に胃腸を冷やしていると疲れやすくなったり、かぜを引きやすくなるほか、胃腸は全身の水分代謝に大きく影響しており、顔や手足がむくむ原因ともなります。

 そもそも人間は恒温動物ですので、冬は暖かい時期に比べて体温を維持するために余計にエネルギーを必要とするわけですが、冷たい水やお茶を飲むと、更にそれを体温まで加熱する為の余計なエネルギーを必要とします(寒くなるとおしっこが近くなるのも、水分を体内で保温するための熱エネルギーに余裕がなくなるからです)。

 また、長期にわたっておなかを冷やすことは、貧血や便通異常のほか、神経痛やアレルギー疾患の原因となります。花粉症が国民病と言われるようになったのも養生面からいえば冷たいものの摂りすぎが大きな要因であると考えられます。

 上記の症状や疾患をお持ちの方は、1週間でも良いので冷たいものを極力口にしないようにされると体調が良くなるのが実感できるはずです。尚、常温なら大丈夫と思っている人が多いですが、養生的には体温より低い温度のものは総て「冷たいもの」です。別の言葉で表現すれば、「冷たいもの」とは「冷(さ)めたもの」の事です。

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