椒麻白肉

20150525 豚バラ肉の中国山椒ソースがけです。料理名の椒麻(ジャオマー)とは山椒の“椒”と山椒の味の特徴である“麻”(しびれる)のことです。

 中国山椒は四川料理で多用されますが、山椒自体にはおなかを温める作用があり、また、山椒の実は果皮ほどの香りはないものの、おなかの中の余分な水分をとる作用があります。

 四川省は湿度が高く、湿度が高いと“脾は湿を嫌う”とされ、五臓の脾すなわち胃腸機能が低下します。胃腸機能の低下は消化吸収だけでなく全身の水分代謝異常に直結して、むくみや軟便傾向などの原因ともなります。また、夏の暑い時期はどうしても生ものや冷たいものを摂りがちでおなかを冷やすことが多くなりますので、湿度が高い日本の夏にも山椒はお勧めの香辛料です。

 因みに、日本で開腹手術後の腸閉塞の予防で使われている大建中湯は、高麗人参、乾姜(生姜を湯通しして乾燥させたもの)、山椒と膠飴(水飴)で構成されています。この処方は、漢方的に考えると、開腹手術をすると、おなかから“気”が抜けて蠕動運動がうまくいかなくなるのを、人参で“気”を補いつつ乾姜や山椒でおなかを温めるような処方構成になっています(水飴(麦芽糖)は甘味料で入っているわけではなくて、おなかの緊張をゆるめる効能があるとされています)。

 

 

 

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