醉蟹(酔っぱらい蟹)

 今日も上海蟹です。上海蟹といえば蒸し蟹がイメージされますが、上海ではこの酔っぱらい蟹(醉蟹:ツイシエ)も欠くことの出来ないメニューです。

 作り方は、メスの上海蟹を生のまま、紹興酒、ハマナスの花のリキュール、白酒などのお酒とネギ、生姜、丁字、陳皮、八角などの香辛料、あと醤油、砂糖、塩とともに1週間以上漬け込みます。

 お味としましては、紹興酒や香りの強い白酒などと香辛料の香りが溶けあって一言では言いあらわせられないですが、かにみそも蟹肉もとろけるような食感です。
 ただしお酒に弱い方は蟹だけでなくご自身が酔っぱらう可能性がありますので注意が必要です。

 中華料理としては珍しく火を通しませんが、これはもともと上海に近い漁港というか貿易港として古くから栄えていた寧波(ニンポー)料理の影響とも言われています。

 今日は丁字についてひとこと。丁字は香辛料として馴染みの深いものですが、漢方薬としても使われます。性味は「辛温」で主に胃腸を温める目的で配合されます。なかでも柿蒂湯(シテイトウ)という有名な処方があって、中身は柿のへたと丁字と生姜です。効能は胃の冷えによるしゃっくりや吐き気を抑えるというものですが、日本の民間療法でもしゃっくりが止まらないときに柿のへただけを煎じて飲むというやり方は古くから知られていました。

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