“潤い”は夜つくられる

 秋の気配が濃厚となって参りましたが、空気が乾燥してくると五臓の中で最も乾燥に弱い“肺”がダメージを受けやすくなります。

 漢方において“肺”は呼吸に関する気管支や鼻からお肌まで含み、これらが乾くことで、喘息や鼻炎のみならずお肌の美容面にまで影響が及びます。特に、陰虚とよばれる、もともと水分保持能力が低下した体質の方にとっては、これから空気が乾燥してくるとからだの潤いが損なわれやすくなりますので要注意です。

 さて、漢方ではお肌や髪の毛の潤いは“血”や“津液”が担っているとされ、これらを陰分とも称します。また、陰分は陰の時間帯である夜に作られることになっており、簡単に言えば夜の時間帯にぐっすりと眠ることが、からだの潤いを保持するためには必要となってきます。

 陰分の不足(陰虚)には、“血”や“津液”の原料となる飲食物と、飲食物の消化吸収、代謝に大きく関わる胃腸機能の問題も関係しますが、世界一睡眠時間が短いとも言われる日本人にとって、夜の時間帯に十分な睡眠をとらない方が多く、このことが潤い不足の大きな原因となっているように思います。

 西洋医学的には、睡眠中に深い眠りであるノンレム睡眠の状態にあるときにのみ、お肌の潤いや免疫力などに大きく関与する成長ホルモンが分泌されるとされ、しかも成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯が午後10時から午前2時の間とされています。

 よって、いくら朝寝をしようが、この時間帯に熟睡できるようにしないとからだの潤いは損なわれていきます。また、単に眠るのではなく熟睡することが大事ですので、夜遅くに晩ご飯を食べたり、寝る前に交感神経を興奮させるようなテレビゲームやパソコンを使った仕事を控えることも大事です。

  

   

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