養生の基本原則

わかりやすい漢方講座(その11)~「養生の基本原則」
 約2000年前に書かれた黄帝内経(こうていだいけい)には、「養生」即ち「生命」を「養い」、長生きするための基本原則として次の3つを挙げています。

1.季節に応じた生活を心がける

 季節に応じた生活を重視するのは、自然との調和を重視する漢方の基本中の基本です。ところが、現代社会というのは空調設備が完備し、食材なども人工栽培や輸入物が大量に出まわっている結果、季節感に乏しいのが実態です。

 この事は一見、便利に見えて健康にとって必ずしも良い結果を生むとは限りません。例を挙げれば、真冬にスイカを食べようと思えば食べられますが、冬の寒い時期に体の熱を奪うスイカを食べることは明らかに体に良くないことです。スイカは極端な例ですが、トマトやキュウリ、ナスなどを冬場に食べるというのも同じ事です。

 また、最近はウォーキングがはやっていますが、真夏の炎天下や冬の寒い時期にはできるだけ屋内でじっとしている方がよいというのも季節に応じた養生になります。

 →「春の養生法」
 →「梅雨の養生法」
 →「秋の養生法」
 →「冬の養生法」

2.精神的なストレスをため込まない

 これは、現代社会でもかなり問題になっていることですが、漢方で言う「気」の流れをスムーズにするということは健康の基本になります。太極拳や気功というものも、ストレスの解消というよりは、ストレスなどの影響を受けて乱れがちな「気」の流れを、できるだけスムーズにする為のものでもあります。

 また、「七情」とはでもふれましたが、ストレスの影響を薬だけで除くことは難しく、カウンセリングなどのほか、「移情療法」と呼ばれますが、何か自分の興味があるものや好きなものに対して、積極的に意識を向けるということが重要になってきます。

3.節度のある性生活をこころがけ、陰陽のバランスを整える

 人間が老化することは、即ち「」という物質が減少していくことですが、過度の性生活は生命の根源物質である「精」を消耗することになります。(男性に限らず、女性も同じです)

 また、人間の健康とは「陰」と「陽」のバランスがとれていることですが、「精」の消耗は容易に、陰陽のバランスの変調を招きます。

 以上が、漢方で重視する養生の基本ですが、現代社会を考えると、これからも、日本が世界有数の長寿国家でいられるかどうかと言う点に関して、懐疑的にならざるを得ないと思います。

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