蟹黄獅子頭

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 蟹黄獅子頭(シエファンシィズトウ)は直訳すれば、「上海蟹のカニミソ入り大型肉団子の土鍋煮」ですが、もともと江蘇料理の名物料理に「獅子頭(獅子の頭のように大きな肉団子)」というのがあって、その肉団子に上海蟹のカニミソ(蟹黄)を混ぜ込んだものです(因みに「獅子頭」は江蘇料理で「鎮揚三頭」~獅子頭の他に、魚の頭の煮込み料理と豚の頭を煮込んだもの~の一つに数えられています)。

 肉団子の周りに白く見えるのは、百頁(バイイェ:布豆腐のこと。)を捲いて結び目をつけたものと韓国のトックに似たお餅(年糕:ニェンガオ)です。日本でも正月に餅はつきものですが、餅=「白くて丸い」ものを新春に搗く行為には五行説に基づく縁起担ぎの意味が込められています(専門的になりますが、新春=「木」を迎えるにあたって、「木」を尅する位置にある「金」(色は白)に因んだものを何度も何度も打ちつける(餅つき)という意味があります)。

 さて、お餅について消化がよいのか悪いのかがよく議論されますが、お餅屋さんのサイトではご飯よりも消化がよいとされているものの、世間ではお餅はおなかにもたれるという声もよく耳にします。厳密に言うと、原料が粳米か糯米かでも違ってきます(基本的に糯米は粳米よりももたれやすい)し、搗いた餅か米の粉に湯を注いで練っていくのかという製法によっても違うとは思います。

 ただ、一つ言えるのは、現代人は食事の際に噛む回数が少なく(1回の食事での噛む回数は縄文時代の6分の1、戦前に比べても半分とも言われています。回数が少ないと言うよりも食材のソフト化が進んで、噛む習慣がなくなっていると言った方が正しいかも知れません)、餅のような柔らかいものは余計に噛まないため、唾液に含まれるアミラーゼの作用を受けないで胃に入る事で胃もたれしやすいと感じるのではないかと思います。

 

 

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