ここがおかしい日本人の栄養の常識

Photo_4  表紙の帯には「ダイエットの話題が溢れる飽食の日本。だが、日本人の摂取カロリーが減少を続けている事実をご存じだろうか。日本人が漠然とイメージしてきた栄養・健康常識に多くの間違いがあり、そのまま信じ続ければ自分や家族の常識を大きく損なってしまうことになりかねない。」とあり、続けて「「糖尿病が増えている」「やせているほど長生きをする」「コレステロールは低いほどよい」などの健康常識は本当か?科学的なデータ・理論をもとに、正しい栄養や食生活とは何かを明らかにしていこう。」とあります。

 厚生労働省の国民栄養調査の結果などを基に、意外にも日本人の栄養状態は悪化してきており、特に20歳代の女性が最悪で、小中学生でもその傾向が強い事が指摘されています。その原因として「太っているほど早死にする」など、いくつかの間違った「栄養常識」があるとし、ひとつひとつ科学的なデータを元に反論されています。また、最後には14項目に渡って日本人にとって理想的な食事の指針を挙げておられます。

(柴田博著、(株)技術評論社発行、平成19年5月初版)
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 メタボリックシンドロームやダイエットに関する情報が氾濫する中で、若い人達の栄養状態がどんどん悪化してきているというのは意外と見落とされがちですが、日本の20代30代の女性の骨密度が低下してきているとか、ちょっとしたことで簡単に骨にヒビが入ったり骨折する子どもが増えているという現実を考えると著者の指摘されていることは納得できます。

 ただ、その原因としては、著者の指摘する「間違った栄養常識」の問題より、以前にもこのコーナーで紹介した「亡食の時代」にあるような「食」の崩壊現象があるような気がします。

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