食品の裏側

Photo_58  発売当時、結構話題になった本です。著者の安部司氏は元食品添加物会社のトップセールスマンで、我が子が「廃棄寸前のクズ肉を30種類の「白い粉」で甦らせた」ミートボールをおいしそうに食べるのを見て、自分のしている仕事がまるで「武器商人」のように感じられて会社を辞めたという方です。

 各章の見出しを並べると
・「食品添加物の神様」と言われるまで
・食品添加物が大量に使われている加工食品
・食卓の調味料が「ニセモノ」にすりかわっている!?
・私たちに見えない、知りようのない食品添加物がこんなにある
・今日あなたが口にした食品添加物
・食品添加物で子どもたちの舌が壊れていく!
・未来をどう生きるか
となっていますが、食品添加物が一方的に悪いわけではなく、「いつでもどこでも均一の味の物が安く食べられる」という加工食品の利便性を享受していることを忘れてはならないとし、大事なことは食品添加物について正しい情報を知り、その上で消費者の判断に任せる仕組みを作っていくべきだと主張されています。

 更に、食品添加物の安全性に関して、いくら政府が認めていると言っても、単品の毒性に関して(それもネズミを使った実験での話ですが)のみで、何十種類もの添加物を摂取した時の安全性に関しては盲点になっていると指摘されてます。普通の加工食品でも1品につき20〜30種類の食品添加物が使われていることを考えると「安全であるとは言い切れないのが食品添加物の世界」だそうです。

 にもかかわらず、今の世の中から食品添加物をゼロにすることは現実問題として不可能であり、要は、消費者が食品に接する時に「なぜこの明太子はこんなにきれいな色をしているのだろう」「なぜ、このハンバーグはこんなに安いのだろう」といった素朴な疑問を持つことの必要性を強調しつつ、可能な範囲で食品添加物の摂取量を減らすコツなども挙げておられます。

(安部司著、東洋経済新報社 発行、2005年11月初版)

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 食品添加物が個々の安全性は認められても、複数を一緒に摂ったときの安全性は盲点、はっきり言えばわからないとの事ですが、医薬品に関しても同じです。

 最近は病院のお薬などでも飲み合わせや相互作用という概念が浸透してきましたが、これはあくまで2種類の組み合わせに関するもので、3種類以上の新薬を同時に服用した時にどういった相互作用があるかは誰も知りません ・・・

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