フカヒレとキノコのスープ

Photo_82 (ミナミのシノワーズアラカルト大一楼さんのメニューより)

 前菜に続いて温かいスープというのは洋の東西を問わず基本的な流れですが、とりあえず口当たりの良い冷菜を食べた後に温かいスープで胃腸を温めるという効果と、スープに含まれるアミノ酸などの刺激が消化管ホルモンを刺激して、消化液の分泌を促すという効能があります(当たり前ですが、こういった現代医学的な解明がなされる遙か以前から、生活の知恵として冷菜→スープという順番は確立しています)。

 ちょっと前までは、「おなかを冷やさないことが大事ですよ」と言えば済んだのですが、最近の若い人からはなんで冷たいものを飲んだり食べたりするのが悪いのですか?と、まともに質問を受けることが多くこちらがびっくりさせられます。では、なぜ胃腸を冷やすと良くないかといえば、胃腸は食べ物を入れさえすれば栄養が吸収されるのではなく、食べ物の消化吸収に欠かせない消化酵素は20度以下では殆ど働かなくなって、いくら食べ物を食べても正常な栄養の吸収ができなくなるからです。そればかりか、水分代謝異常からむくみやすくなったりもします。

 よって、人類の長い歴史の中で貴重な食料を最大限有効的に利用するには、あたたかいものを食べることは基本中の基本でした。また、冷たいものを飲んだり食べたりした後は、必ずあたたかいもので胃腸を温めるというのも欠かせないことでした。そう言ったって、みんな冷たいものばかり飲んでるから良いのでは?と思われるかも知れませんが、世界の人類の中で飲食物の平均温度を計れば、間違いなく日本人が口にしているものがダントツで低温だと思います。

 漢方的に考えると、胃腸を冷やすことは、貧血、むくみ、アトピー、喘息、神経痛、不妊症など様々な疾患の原因のひとつになりますし、天気予報で花粉情報が流れる国になった要因のひとつでもあります。反対に言うと、これらの疾患でお悩みの方は、冷たいものを控えるというのが養生の第一歩です。

 

関連記事

  1. 海鮮の香檳茶蒸し

  2. あさりの湯麺

  3. 丸鶏の蓮の葉蒸し

  4. 開水白菜(白菜の芯のスープ)

  5. 琵琶湖の天然鰻と新ニンニク、ウズラ卵の土鍋煮込み

  6. 毛蟹と鱧の肉団子煮込み