寝る子は育つ

こどもの健康

少子化が叫ばれる昨今ですが、令和6年度の調査(※1)で小中学校における不登校児童生徒数が35万人を超えて過去最多を記録し、令和4年の調査(※2)では通常学級において、教師からみて発達障害と思われる児童生徒は8.8%(35人学級で約3人)にのぼるほか、令和6年の調査(※3)で、特別支援学級に在籍する児童生徒数は39万7千人にのぼり、10年前から倍増しています(特別支援学級に入級するには医師の診断書が必要)。

さらに、昨年の小中高生の自殺者数は538人にのぼり、過去最高を更新しました(自殺者の総数は統計を取り始めた1978年以来最少)。

また、不登校の原因としては3~4割のこどもに起立性調節障害が背景にあるとされ、発達障害ではADHDと診断される児童生徒が増えています。

脳の発達

小学生から高校生くらいまで、脳の発達に関して極めて重要な時期とされていますが、健全な脳の発達に関しては睡眠が最も重要とされています。厚生労働省が令和6年に発表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生の睡眠時間として9~12時間、中高生は8~10時間の睡眠を推奨しています。

しかしながら現状を考えると、小学生からスマホを持つこどもが増えるとともに学校の授業などでもパソコンやパッドに接する機会が増えています。このような状況で、夜更かしをしたり、ブルーライトにさらされる機会が増え、睡眠時間とともに睡眠の質が低下し、そのことが起立性調節障害をはじめ、発達障害と呼ばれるようなこどもの増加につながっていると思います。名古屋大学と浜松医科大学の共同研究でも、8~9歳児では入眠時間が遅いことでADHDを発症しやすいことが発表されています。

そのほかにも脳にダメージを与える要因として、思春期に清涼飲料水など糖分の多い飲み物を摂りすぎることは、脳内の毛細血管の炎症につながり、統合失調症や双極性障害といった高次脳機能障害のリスクが高まることが東京都医学研究所から発表されています(2021年)。更に、子供にかぎらず、過剰な超加工食品摂取は脳灌流の異常、うつ症状、炎症プロファイルの増加と関連するとした論文も発表されています(2025年バルセロナ自治大学)。

睡眠の重要性

睡眠に関しては深い眠りであるノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモンが、その名前の通りこどもの成長に重要な役割を担っていますが、近年の研究で、レム睡眠時には脳の毛細血管の血流量が上昇することで栄養供給や老廃物除去が行われ、脳がリフレッシュ状態になり、レム睡眠が少ないと大脳皮質の活発な物質交換が損なわれ、結果として脳の機能低下につながるとされています。

さらに、脳の発達において、シナプスが過剰に作られた状態で生まれた後、環境に適応すべく、シナプスの刈り込みが行われますが、シナプスの刈り込みが不足することが自閉スペクトラム症と関係しているという指摘もあります。実際に、自閉症スペクトラム症のこどもではレム睡眠の割合が少ないとされ、レム睡眠時にシナプスを取捨選択して、不要なシナプスを消去している可能性が指摘されています(※4)。

いずれにせよ「寝る子は育つ」の言葉通り、こどもにとって睡眠は脳や身体の発達に重要です。ただし、ストレスや睡眠不足はミクログリアの活性化によって脳内が慢性炎症状態になっていることが多く、それゆえ睡眠リズムが乱れることが、起立性調節障害やADHDの原因になり得ます。こういったケースでは、年齢に応じた睡眠時間を確保することを指導しつつ、脳内の慢性炎症を抑える羚羊角製剤を寝る前に服用することで睡眠リズムが正常化し、起立性障害やADHDのような症状が緩和するだけでなく、脳の正常な発達につながります。

 

 

(※1):令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)

(※2)通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について(文部科学省)

(※3)令和6年度学校基本調査(文部科学省)

(※4)「心の不調」の脳科学、加藤忠文編、講談社 p227

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