冷やし茶碗蒸し

Photo_6 (大阪の法善寺横町にある、正弁丹吾亭(しょうべんたんごてい)さんの夏のコース料理から)

 法善寺横町は、ほんの僅かな面積ですが、古き良き大阪が感じられる貴重なところです。写真は、その法善寺横町に古くからある正弁丹吾亭さんのメニューから、ジュンサイをあしらった冷やし茶碗蒸しです。

 ジュンサイはスイレン科のジュンサイの新芽で、ぬるぬるとした粘液でおおわれており、独特の食感があります。ジュンサイは日本各地で採れるようですが、関西では京都の深泥池が有名です。また、中国では杭州の西湖の名産品として知られています。

 もちろん、中華でもジュンサイはスープの浮き身などにして食べますし、茶碗蒸し自体、中国が起源の食べ物だと思います。ただし、茶碗蒸しを冷やして食べるという感覚は、日本独特のものだと思います。

 もちろん冷蔵設備という文明の利器がないと、夏に冷たい茶碗蒸しは作れませんが、栄養不足よりも栄養過多が問題になるという現代日本ならではの食べ物と言えます(体温より低い食べ物を食べることは、熱エネルギーを消耗します)。

 

 

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