吸い物

Photo_3 (引き続き、正弁丹吾亭さんのメニューから)

 日本料理の会席料理では、料理の始めは食前酒、先付け、お造りなどに続いて、吸い物が出されます。この順番は、世界共通で、中華でも西洋料理でも冷菜である前菜の次はスープとなります。

 この世界共通の順番を科学的な側面から見ると、食前酒=適度なアルコールは、胃腸の消化液の分泌を高めるとともに消化管ホルモンの分泌を通じて胃の壁も厚くして胃を丈夫にする働きがあります。続いて、視覚的にも食欲を増進させるような冷菜に続いて、あたたかいスープを飲むことで、胃腸をあたためて、その機能を高め、さらにスープに溶け出したアミノ酸がアルコールと同じように胃のG細胞を刺激して、消化管ホルモンであるガストリンの分泌→消化液の分泌を促すという事になります。

 よって、食前酒→冷菜→スープ→主菜という順番は、科学的にも非常に理にかなっているのですが、消化管のこういった科学的なメカニズムについてわかったのは20世紀も後半ですし、腸管からの栄養吸収などに関しては未だにわからないことが山のようにあるというのが現実です。

 「食」に関しては、何を食べるか、どのように調理するか、どういった順番で食べるかなど、人間が生きていく上で最も重要な事柄のひとつですので、何万年もの間に最も体によい食べ方が形作られてきたという事だと思います。よって、その民族が伝統的に食べてきたものというのが、その民族にとって最も良い食べ物である筈です。

 それゆえ「食」に関しては、「伝統的」という事が最も重要になると思いますが、昨今の「水を飲めば健康になる」とか、人類史上経験したことのない程の「冷たいものの過食」、戦前まで飲まれることのなかった「牛乳」や「動物性脂肪」の摂取などが、日本人にとって様々な疾患の原因になっていると思います。

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