微小血管狭心症

微小血管狭心症

 日本人の死因でガンに次いで多いのが狭心症や心筋梗塞などの心疾患ですが、今まで心臓の冠状動脈が動脈硬化などで狭くなることで発症すると考えられていた狭心症について、たとえ冠状動脈に異常がなくても心筋内の髪の毛ほどの血管が詰まることで持続性の胸痛などの症状が出る“微小血管狭心症”と呼ばれる病態のあることがわかっています。

 この微小血管狭心症の特徴は、一般の狭心症が男性の方が多いのに対して、更年期前後の40~50代の女性に多く見られ、持続性の胸の締め付けられるような痛みが10分から長い場合は半日も続くもので、狭心症の発作によく用いられるニトログリセリンも効かないとされています。

 1980年代にアメリカで一つの病気として認められたそうですが、日本ではまだまだ認知度が低く、心電図などにもあらわれないことも多いため、病院などでも見逃されがちだそうです。

 さて、この「更年期前後の女性で持続性の胸の痛みを繰り返す」を漢方的に分析すると、まず更年期ということから背景に「腎陰虚」があり、「心」の「気」の流れに問題を抱えていると考えられ、専門的には「心気陰両虚」、「心腎陰虚」または「心腎不交」と呼ばれるもののような気がします。また、胸痛以外に普段から肩こりや頭痛の症状がある場合は淤血(おけつ)の存在も関係している可能性が高くなります。

 いずれにせよ、「腎陰虚」の場合には、胸の痛み以外に不眠であったり足腰のだるさ、のぼせやほてり、口の渇きなどを伴うことがあります。また、こういった動悸や胸の痛みを伴う疾患では、症状自体がストレスとなるほか、自覚症状があっても病院の検査で異常が認められずに神経症のような診断を下され、そのことが余計なストレスとなることなどで、更に「心」(五臓六腑の「心」は、血液を送り出すポンプの働きと同時に、文字通り「こころ」の部分も含む)に影響し、症状を悪化させかねません。

 この微小血管狭心症に対しては、新薬ではこれといって適したものがないものの、漢方の対処方法としては、発作時には「気付け」薬と言われる処方を頓服で用いながら、「心」や「腎」のバランスの乱れを正していく方向での体質改善をしていく処方などで対応していきます。

 

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