冬は「腎」の季節

わかりやすい漢方講座(その22)~冬は「腎」の季節

 「ついに」というか「やっと」というか、冬らしくなってきました。漢方(五行説)では、冬という季節は五臓六腑の「腎」にあたり、「腎」に関する症状が顕在化しやすいとされています。(ここでお断りしておきますが、漢方でいう「腎」と西洋医学的な腎臓とは、違います。

 漢方では「腎は生命の根源」ともいわれ、
・成長に関する問題
・不妊症など生殖に関する問題
・老化現象全般
などに深く関わっていますが、そんなに難しい病気でなくても中年以降の方にとっては老化現象=「腎」の衰え(「腎虚(じんきょ)」)ですので、中国では「腎」のパワーを維持するために補腎薬(ほじんやく)と呼ばれる処方を飲むことが老化防止(アンチエイジング)につながるという概念が一般の人々の間に浸透しています。

 では、冬場に顕在化しやすい「腎」の衰えのサインとはどういうものかというと、
・腰や膝の痛みやだるさ
・頻尿や尿の切れが悪い

などで、漢方的には腎虚のサインです。

 そういった症状が発生してきたら、補腎薬と呼ばれる処方を服用されることをお勧めいたしますが、そういった処方を服用することは腰痛や頻尿だけに効くのではなく、全身的なアンチエイジング効果が期待できると言うことです(中国では、女性は30歳を過ぎると、お肌の老化予防など美容目的で補腎薬を飲むというのが常識になっています)。

 新薬的な発想だと、「尿のキレが悪い→薬を飲んでマシになった→薬を止める」というパターンになりますが、漢方では「尿のキレが悪い→補腎薬でマシになった→補腎薬を続けることで全身的な老化予防につながる」という事です。

 ただし、補腎薬という名前の処方があるわけではなくて、補腎薬というのはあくまで漢方処方の中の一つのカテゴリーであって、その方の体質などに応じて様々な処方が使い分けられます。また、そういった処方を選ぶときは、ご自身で漢方を10年くらい勉強してから選ぶか、そうでなければ漢方の専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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