イカと野菜の蝦醤炒め

 蝦醤(シャァジャン)は、小さなエビ(あみ類)を発酵させてペースト状にしたもので、タイ料理で使うカピなどと同じものです。

 独特のクセのある味ですが、炒める(加熱)することによって、臭みが減って代わりに旨味が増すことから、魚介類などの炒め物に使われる他、炒飯などの下味にも使われます。

 主には広東料理で用いられますが、北京料理の羊のしゃぶしゃぶのタレにも用いられるなど、応用範囲の広い調味料と言えます。

 さて、この料理はイカと相性の良いセロリが使われていますが、セロリには肝臓の余分な熱を冷ます作用とともに「去風利湿」作用といって、体内の余分な湿気を排泄する作用があります。

 湿気というのは五臓六腑のうちで「脾」の働きを悪化させ胃腸機能の低下の原因となり、胃腸機能の低下が水分代謝の異常を招き、更に体内に余分な「湿」が発生します。また、体内の余分な「湿」が「気」の運行を邪魔することで痛み?神経痛なども発症します。

 ただでさえ日本は世界的に見ても環境が「多湿」で湿気の影響を受けやすく、例えむくみなどがなくても漢方的に見ると体内に余分な「湿」を抱えている方が多いのが現状ですので、セロリなどは日本人向きの食材とも言えます。(もっとも体内の湿気を排泄する作用のあるものとしては、日本では小豆が一番人気がある食材だと思います)

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