東坡肉

1216  豚の角煮~東坡肉(トンポーロゥ)です。料理名の由来となっている蘇東坡は宋代の官僚で詩人、書家として高名な人物で、自らこの料理を好んで作っていたそうです。

 蘇東坡については「早晩の飲食一爵一肉(一杯の酒と肉一切れ)に過す・・・・・一に曰(いわく)、分を安んじて以(もって)福を養う。二に曰、胃を寛(ゆる)くして以(もって)気を養う。三に曰(いわく)、費(ついえ)をはぶきて以(もって)財を養う。」という言葉を残しており、養生、倹約の上で参考にすべきであると貝原益軒が養生訓の中で紹介しています。

 現代の感覚ではその言葉と東坡肉はミスマッチのような気がしますが、これは、蘇東坡の時代、豚肉は下等な食べものとして身分の高い人々からはバカにされ、身分の低かった農民などは上手に調理することができなかったという歴史的な背景があり、その豚肉を蘇東坡がおいしく食べられるように工夫した料理が東坡肉という訳で、養生訓で紹介されている蘇東坡の言葉とこの料理は矛盾しないわけです。

 また、何を食べるにしても「胃を寛くして以て気を養う」というのは食養生の要で、胃腸に負担をかけるような食べ方は気、言葉をかえれば気力、免疫力、からだの機能を低下させます。

 

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