ペキンダック

Photo (引き続き、「翠園」さんのメニューから)

 前菜の次は、ペキンダックです。宴席に於いて多分に視覚的効果というか盛り上げ効果を期待しての登場です。

 ペキンダックは勿論北京料理(元々は南京が発祥と言われています)ですが、広東料理の特徴の一つに子豚の丸焼きに代表される焼き物(ロースト)があり、そういう意味ではペキンダックも広東料理らしい一品と言えます。

 もっとも北京ではアヒルの皮がスカスカ気味なのが一般的で、付け合わせの味噌も塩辛いのに対して、広東料理では皮の表面はパリパリでも全体的にジューシーな感じに焼かれ、味噌も甘めで、個人的には広東スタイルの方がおいしいと思います。

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 プレゼンの済んだペキンダックは、皮の部分だけそぎ落とされて、味噌とネギ、胡瓜などと共に薄餅(パオピン)と呼ばれるクレープ状のものに巻いて供されます。

  アヒルの薬膳的な効能の一つに滋陰養胃といって、潤いを与えて胃の働きを良くするという作用がありますが、西洋医学的には胃の粘液の不足を改善するといった感じでしょうか。

 ところで、日本では胃の不快感に対しては、すぐに胃酸過多と断定する人が多いですが、大事なのは胃酸と胃酸から胃の粘膜を守る粘液(防御因子)のバランスであって、胃酸過多=胃酸を止める新薬という単純な対応をしていると、やがて粘液(防御因子)まで不足しがちになり、ちょっとしたことでバランスが崩れやすくなって、結果的に胃酸を抑える新薬を何年も飲み続けるという悪循環に陥りかねませんので注意が必要です。

 

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