青色のLEDの光に殺虫効果

 今年の夏には岐阜薬科大学の研究チームが青色や白色のLEDの光が視細胞に障害を与えるメカニズムを解明したという発表がありましたが、この度、東北大学の研究チームによる青色のLEDの光が活性酸素を発生させることでショウジョウバエや蚊などのサナギに対して強い殺虫効果があるとする論文がイギリスの科学誌に掲載されました。

 これまでも可視光線よりも波長の短い紫外線には生物に対する強い毒性~殺虫効果があることは知られていましたが、紫外線でも波長が長くなると殺虫効果がなくなるとされてきました。それが今回、紫外線より波長の長い青色のLEDの光(特に440mmと467mmの波長)に生物に対する毒性が認められたというものです。

 今回の発表を受けて、将来的に農薬などに代わる殺虫技術として応用できるかもしれないという話もありますが、それよりも、近年あちらこちらに普及しているLEDの光の人体に対する危険性の再検討が急がれると思います。

 話はかわりますが、量子論によりますと物質を構成する最小単位である素粒子が何種類か知られていますが、これらの素粒子はあるひとつの最小の“モノ”が振動しており、その波長によって素粒子の種類が決まるという理論が有力で(超ひも理論と呼ばれています)、あらゆる物質や生命体もつきつめれば振動というか波動が集まったものであると考えられています。

 漢方的というか東洋哲学的にも、荘子に「人の生は気の聚まりなり。聚まれば生たり、散ずれば死たり。」(知北遊篇)とあり、人体というか生命体は“気”の集まりであるとされており、量子論における超ひも理論と矛盾しないことになります。いずれにせよ、目に見えない光であれ音であれ、何らかの波長をもつものが生命体に影響を与えることは間違いのないことで、更にいえば人体の各部位で異なる波長をもっていたり、人それぞれ全体として異なる波長をもっているような気がします。

 また、黄帝内経には「百病は気より生じる」とあり、精神的なストレス以外でも何らかの波動(波長)の影響を受けて“気”を病むことは十分にあり得ます。もっとも、遠赤外線などは、からだを温める作用がありますので、総てが有害であるとはいえませんが、LED照明(特に青色や白色のLED光)が加速度的に普及している現状に対して今回の発表は警鐘を鳴らすものといえます。

 

 

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