イノシシとカボチャの炒めもの

100121   イノシシは漢字で書けば「猪」ですが、中国語で「猪」は豚の意味になります。

 言うまでもなく豚は、イノシシを家畜化したもので、日本でも古墳時代には豚を飼育していたそうですが、7世紀以降、だんだんと食肉の習慣がなくなると共に、豚が飼育されることもなくなり、日本では猪=イノシシとなったようです(因みに中国でイノシシは「野猪」とあらわします)。

 さて、写真のイノシシは広島県産の野生のイノシシで、新鮮なせいか臭みもなく、やや歯応えはあるものの豚肉よりはこくのある味わいでした。薬膳的に見た場合、野生のイノシシは豚肉よりも精が強いと言えますが、こういったパワーのある食材を吸収するためには、食べる側にもそれなりの吸収力というかパワーが要求されます。ですから、いくら身体を元気にすると言っても、胃腸が弱い人や体力の無い人には勧められません。現代栄養学に慣らされると食べものは口に入れさえすれば総て吸収されるかのように錯覚を起こしやすいですが、食べものを吸収するためには咀嚼力があって、更に胃腸の消化吸収力が絶対的に必要で、その部分を無視して食べものの成分ばかり分析してもあまり意味のないことです。

 

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