今の食生活では早死にする

Photo_71  副題に「アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート」とありますが、このレポートは委員長の名前をとってマクガバンレポートとも呼ばれるもので、1977年にアメリカの上院栄養問題特別委員会が世界中の栄養問題の資料を集めて調査・検討した5000ページにも及ぶレポートです。

 この調査は、当時アメリカでは医学が進歩して多額の医療費がつぎ込まれているにもかかわらず、心臓疾患やガンなどの生活習慣病は増え続けるばかりで、国民はますます不健康になっていくという現実に対する危機感から実施されたものですが、結論としては「ガン、心臓病、脳卒中などアメリカの6大死因となっている病気は、現代の間違った食生活が原因になって起こる”食源病”である。この間違った食生活を改めることでこれらの病気を予防する以外に先進国民が健康になる方法はない。」ということで、このレポートの発表以来、生活習慣病の予防には食生活の見直しが急務であるという認識が先進国で広がりました。

 日本でも最近になって食育だとか食事バランスガイドなどが声高に議論されていますが、1977年にこのレポートが発表された頃の日本は、アメリカほど深刻な問題を抱えておらず、あまり重要視しなかったような気がします。結果的に今日では、子供のコレステロール値なども日本がアメリカを上回るような状況に直面している訳で、今こそこのレポートに書かれていることを見直すべきだと思います。

 このレポートには「人類にとって理想的な食事は元禄時代以前の日本の伝統食」であるとも書かれており、アメリカで日本食ブームのきっかけにもなりました。

 本書は、このマクガバンレポートに述べられている事をわかりやすく実例などを挙げながら解説したものですが、レポートの内容以外にも、現代人のビタミンやミネラル不足と疾患の関連性などについても述べられています。

([改訂最新版]アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート 今の食生活では早死にする 自分の健康を守るための指針 抄訳、編者:今村光一 、(株)経済界 発行)
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 このコーナーでも様々な本を紹介していますが、人類学的または動物学的な見地からも、マクガバンレポートのようなアメリカの徹底的な調査からも、古来、中医学というか漢方の世界での食養生で言われてきたことも、同じ結論〜簡単に言えば伝統的な日本食が一番体によい〜に行き着きます。

 この食べ物は体によいとか長寿地域の食べ物だとか、世界中から様々な食べ物が次から次へと輸入されていますが、「真実」は案外身近なところにあるような気がします。

 

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