季節野菜の前菜

201110173  金時草、里芋、蕪の前菜です。

 金時草は加賀野菜としても有名ですが、葉の裏側が金時芋のような紫色であることからそう呼ばれています。

 写真でもわかるとおり、調理すると独特の色合いになりますが、これは抗酸化作用のあるポリフェノールの一種で、ブルーベリーに含まれていることでも有名になったアントシアニンです(生薬では枸杞の実の赤い色素も同様にアントシアニンです)。

 野菜の栄養というとビタミンやミネラル、繊維を思い浮かべますが、アントシアニンのようなファイトケミカルと称される成分も健康に重要な関わりを持っています。

 こういった抗酸化物質は、植物自身が自然界における環境的な刺激から身を守るためのものですが、基本的に外皮など外界と直接接している部位に多く含まれています。よって、野菜や果物などは皮をむかずに食べる方が、こういった成分をより多く摂取できるわけですが、農薬などに対する懸念から何でもかんでも皮をむいて食べる傾向が強くなっているばかりか、そういった懸念のないものまで皮をとることが当たり前のようになってきています。

 また、給食の現場では衛生面への気配りから野菜をカットしてから何回も水洗いすることもあるそうで、もともと含まれていた水溶性ビタミンなども食べる時には殆ど含まれていないといった話もよく耳にします。

 こうなってくると短期的なリスクは回避できても長期的に健康状態に悪影響となる可能性もあります。まあ、少なくとも安全な野菜はできるだけ皮ごといただくことをお勧めします(蛇足ながら、一口30回噛めば唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素の作用で、食品中の発ガン物質などをある程度は無毒化できますので、噛むこともお忘れなく)。

 

 

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