清蒸桂魚(桂魚の姿蒸し) / 漢方的正しい食養生(その5)

 

  「松鼠桂魚」という料理を紹介したことがありますが、これは桂魚を蒸して醤油ベースのタレをかけ、白髪ネギや生姜をのせた上から熱した油をかけたものです。

 じつはこの料理、「松鼠桂魚」と同じ日に食べたというかもともとは1匹の桂魚を半分に割って、それぞれ違う調理法で供されたものです。

 中華ではこのように、貴重な食材を別々の料理にして食べることがよくあり、「両吃(リャンチー:吃は中国語で”食べる”)」と呼ばれています。

週末topics〜漢方的正しい食養生(その5)

 さて今回は世間一般に信じられている事と全く異なる話しですのでよ〜く読んで下さい。
それは、多くの日本人にとって乳製品はとらない方がよいというお話しです。

 まず、漢方では牛乳をはじめとする乳製品は胃腸に負担をかけて体内に「湿」とよばれる余分なものを生じさせるとされています。この「湿」邪が関連する病気としては胃腸疾患だけでなくアトピー、喘息などのアレルギー疾患、神経痛やリュウマチなど多くの疾患がありますが、日本はただでさえ湿気の多い環境ですので、体内に余分な「湿」をかかえると乾燥地帯にくらべてこれらの疾患が発生しやすくなります。

 特に子供のアトピーや喘息が多くなったのは牛乳が学校給食で毎日飲まれるようになってからだという意見があるほどです。すなわち牛乳を飲むことで胃腸に余分な「湿」が生じ、胃腸機能の低下を招き、食べ物からの栄養吸収能力も低下するだけでなく「湿」邪が「肺」に影響を与えて呼吸に障害をおこしたり(喘息)、皮膚においても「湿」疹の原因となっているというのが漢方的な解釈となります。

 実際に、人間を含めた哺乳動物の体の仕組みとして離乳期をすぎると年と共に乳糖分解酵素が減っていき、代わってでんぷん分解酵素が増えていきます。乳糖不耐症ほど極端でなくても成長するに従って乳糖を消化する能力は下がっていくわけです。消化できない物を毎日摂取し続けることが胃腸機能に好影響を与えるはずがないです。

 自然界においても離乳期を過ぎてから母乳を口にするということはありえない話しです。たとえば人間の母乳をコップに入れて差し出されたら、大人であれば本能的に飲みたくないと思うはずです。歴史的に見ても乳製品を多く摂る民族というのは乾燥地帯に住んでいたり、遊牧民など他に豆などの適当なタンパク源が入手しにくいという特殊な環境であることが多いです。

 漢方的には牛乳は、もともと体質が陰虚といって体自体に潤いが不足しているようなタイプの人や発熱性消耗疾患などからの回復期で体の中がカラカラになったという人くらいしか飲まないほうが良いと考えられています。ましてや、このコーナーで何度も申し上げてきましたが、冷蔵庫から出してきて冷たいまま飲むというのは二重に胃腸に負担をかけます。

 牛乳そのものに含まれる栄養を否定する気はありませんが、自然に反してそういったものを多く摂る事で胃腸機能の低下を招き、トータルで考えると健康には良くないということです。牛乳をのまないと骨の成長が・・・とご心配の方は、草食性であるゴリラの立派な体格を思い浮かべて下さい。 別に牛乳を飲まなくても、私達の体は穀物や野菜などから体に無理なく栄養をとれるように出来ているはずです。

 最近ではアレルギー専門の西洋医の立場からも、牛乳とアレルギー疾患の関連性を指摘する意見も出てきており、もしそのような方がおられたら牛乳を豆乳にでも代えてみることをお勧めいたします。

 

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