緑黄色野菜の大腸がん抑制効果

 報道によりますと、先ほど埼玉県がんセンターの研究グループは、大腸がんの抑制に緑黄色野菜の摂取が有効なことを実証するメカニズムを、マウスを使った実験で解明したそうです。

解明されたのは、緑黄色野菜に含まれるインドールという物質が、がんを引き起こす物質を抑制する仕組みについてですが、このインドールという物質はキャベツやブロッコリー、カリフラワーなどアブラナ科の野菜に多く含まれているそうです。

 緑黄色野菜が抗酸化作用のある酵素などの働きによりがんの予防に効果があることは知られていましたが、今回の研究成果では別の角度からもその有効性が明らかにされたことになります。ただし、日本国内の一人あたりの野菜の消費量に関しては、ここ20年で1割ほど減少しているばかりか、旬の露地栽培の野菜~言葉をかえれば、野菜本来の栄養素をきちんと含んでいて、加工食品などの形でないものの消費量は大幅に減少していると推測されます。 

 もともと大腸がんに関しては肉の摂取量と相関関係があることが統計的に知られており、日本でも食生活の欧米化が進むにつれ増加傾向にあります。こういった状況に対してアメリカでは1991年に国立ガン研究所など官民一体となって野菜や果実の摂取量を増やそうという運動(ファイブアデイ運動)が盛んになり、一人あたりの野菜の消費量が増加してきており、それにつれてがんを始めとする生活習慣病による死亡率が低下傾向を示しています。

 このファイブアデイ運動は世界的な広がりを見せており、日本でも1日に5皿(350g)以上の野菜と、200gの果物を食べることが推奨されています。ただし、薬膳的な見地から言えば、旬の時期に、露地栽培のもので、調理法はシンプルもしくは伝統的な和食の形式で摂ることが望ましいと思います。

 

 

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