鱈の白子入り海老芋のすり流し

130116_2   海老芋をすり流しにしたものに鱈の白子の炒り焼きが入っています。

 海老芋は里芋の一種で、エビの胴体のような形と縞模様があることからそう呼ばれていますが、一般的な里芋よりも大ぶりできめも細かく甘みが強いのが特徴です。

 海老芋(里芋)の薬膳的な効能としては胃腸の機能を良くすることですが、特に胃腸機能低下から生じる体内の水垢のようなもの(漢方では痰湿と呼びます)に効果があるとされ、むくみやリンパ管のつまりを改善する作用があるとされています。

 胃腸の機能というと、一般的には消化吸収作用だけのように思われていますが、漢方では全身の水分代謝に大きく関与しているとされており、胃腸の機能低下は全身のむくみや痰、下痢、おりものなどの発生原因となります。

 更に、胃腸にはもうひとつ、統血作用とよばれる機能があるとされ、簡単にいうと胃腸の機能が低下している方はちょっと当たっただけで内出血やアザができやすくなります。また、女性であれば生理の経血がだらだら続く原因ともなります。

 現代の医療では胃腸の壁に炎症やポリープがなければ“正常”と判断されることが多いですが、内視鏡やレントゲン検査では胃腸の機能が正常かどうかは写りません。漢方の考え方では「脾(五臓の一つで、胃腸などの機能をコントロールしているところ)は後天の本」と言って、健康を保つためには胃腸の機能が正常であることが大前提となっています。反対に言うと、殆どの疾患のベースには胃腸機能低下が見られ、特に慢性的に経過するような疾患では胃腸の機能を正常化するだけでも症状が楽になることが多いのも事実です。

 

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