インカのめざめ、ナスの鹹魚ソース炒め

120531 普通のジャガイモに比べて小さいものの色が濃く、栗のような甘みと食感がある“インカのめざめ”と、ナス、花ニラ、豚肉を鹹魚(ハムユィ)ソースで味付けしてあります。

 鹹魚とは、広東料理などで使われるイシモチなどの魚を塩漬けにして発酵させたもので、独特の風味があって、例えていえば日本の「くさや」やアンチョビのようなものです。

 日本をはじめ東南アジアなど湿度の高い地域は昔から発酵食品の宝庫でした。もちろん、これらの地域の環境が微生物の繁殖に有利であったことが理由の一つですが、漢方的に考えると「脾は湿を嫌う」という原則があって、湿気の多い環境では五臓の一つである脾、すなわち胃腸機能が低下しやすく、発酵食品は腸内環境改善作用をはじめ胃腸の弱い人には極めて適した食材であるからこそ、昔から食べられてきたという側面もあると思います。

 ところが不思議なことに、近年ではヨーグルトが発酵食品としては最もポピュラーな食べ物になり、ぬか漬けや味噌汁などは、昔ほど食べられなくなってきています。漬け物といってもスーパーで売られているのは薬品に漬けただけで発酵食品とは言えないようなものが主流になってきていますし、味噌汁もインスタントの手軽なものが多くなって、昔ほどの発酵食品としてのパワーがないといえるかもしれませんが、日本人の持つ消化酵素の活性度合いを考えればヨーグルトは必ずしもお勧めの食材とは言えません。

 ヨーグルトに限らず乳製品全般に言えることですが、ヨーロッパなどの高緯度地域で何千年もの昔から乳製品をとり続けていた民族に比べて、日本人をはじめ東南アジアやアフリカの人達は、乳糖や、乳糖が分解してできたガラクトースの代謝に関して、その能力が低いことは周知の事実です。これは、日本人の体が劣っているように勘違いしやすいのですが、哺乳動物として成人してからも乳を食用にすること自体が自然に反する行為であり、日本人の方が哺乳動物として“普通”というか自然な姿とされています。

 また、薬膳的には牛乳などの乳製品は“湿を生じさせる”作用があるとされ、乾燥地帯の人の飲み物と考えられています。反対に言えば、湿気の多い環境にすむ人には合わないわけです。中国でもヨーグルトや乳製品は昔から北京など北方では利用されていましたが、湿度の高い南方では殆ど利用されてきませんでした。

 ヨーグルトに含まれる乳酸菌などは確かにからだに悪いものではありませんが、そういったメリットとともにCMでは決して触れられませんが、乳糖やガラクトースなどを摂取するリスクも同時に存在しているのも事実です。

 

 

 

 

 

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