蕪と干しエビの前菜

201010_2  かぶらのおいしい季節となりました。かぶらは大阪とも縁が深く、天王寺で古くから栽培されていた天王寺蕪はなにわの伝統野菜の一つです。

 大根よりも甘みがあって、肉厚ながら質が柔らかく、火の通りも良いのが特徴です。大根と同じくでんぷん分解酵素であるジアスターゼを含み、薬膳的な効能としても胃腸の機能を高める効果が期待されます。

 ところで、漢方では、胃腸の“機能”を高めるという表現がよく出てきますが、西洋医学では胃腸の粘膜が荒れているとか、ポリープがあるとか器質的な事を検査するのは得意ですが、機能面の不調に関しては有効な手段に乏しいのが現状です。このため、自覚症状はあるものの、炎症やポリープが発見されなければ“問題なし”と突き放されることがよくあります。

 こういった時には漢方薬が有効ではありますが、胃腸が機能低下をおこす大きな要因が食事の不摂生であるケースでは、何を食べるかもそうですが、どう食べるかを見直すところから始める必要があります(「日本人のための食養生」参照)。

 

関連記事

  1. 翡翠春筍

  2. つぶ貝の前菜

  3. 白ネギの和えそば

  4. 鱈の白子入り海老芋のすり流し

  5. 豌豆黄(ワンドウファン)

  6. 牡蛎入り上海炒麺