上湯排翅

Photo  上湯(シャンタン)とは、鶏肉や金華ハムでとった上等なスープという意味で、排翅(パイジィ)はフカヒレでも原形をとどめているものを指します(フカヒレの繊維がバラバラになったものは「散翅」)。

 フカヒレは高級食材として知られていますが、元はサメのヒレです。ただし、皮付きのヒレを天日干ししてから、何日もかけて臭みを抜きつつ処理していくのに手間がかかるため高価になります。

 食材としてのフカヒレは僅かに海産物らしい臭いは残るものの基本的に殆ど味もなく、天然のゼラチン質のかたまりのようなものです。もともと広東省などでは食べられていたようですが、清朝の時代までは殆ど知られいなかった食材でもあります。

 ゼラチン質はお肌の張りや膝の軟骨のもとになる成分としても知られていますが、ゼラチン質を食べたからといってゼラチンのままの形で吸収されるわけではなく、胃腸でバラバラに消化されるので、いくらゼラチン質のものを食べても意味が無いという意見もあります。一見正しそうな意見ですが、長い歴史を持つ薬膳的な発想から言っても、やはりゼラチン質のものは体のゼラチン質を増やしてくれると思います。

 また、シェーンハイマーの実験によると、食べ物は消化されると驚くべき速さで、分子レベルで体を構成する分子と置き換わっていると言うことがわかっていますので、フカヒレを食べることは体内のゼラチン質に好ましい影響を与えているように思います。

 

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