神農さん~薬種屋仲間290年

121122  毎年11月22日と23日は神農さん(神農祭)です。神農さんは、大阪の祭りの中では年の初めの十日戎ではじまり、この神農さんで終わることから、‘とめの祭り’とも言われます。

 このお祭りは道修町にある少彦名(すくなひこな)神社のお祭りですが、同神社には日本の医薬の神様である少彦名命(すくなひこなのみこと)と共に中国の伝説上の医薬の神様である神農炎帝が祀られており、くすりの神さんとして大阪では親しまれています。

 当薬局のある道修町(どしょうまち)は、古くからくすりの街として知られ、今年は江戸時代に道修町の薬種商(124軒の薬種屋仲間)が幕府より株仲間として公認され290年目にあたります。文献では、これより更に古い明暦4年(1658年)には、道修町の薬種商は仲間内で責任を持って偽物を排除することを誓う旨の連印帳を奉行所に提出した記録が残っており、当時より薬を扱う者にとって、倫理観というか使命感が要求されてきたことがわかります。現代でも道修町に軒を並べる製薬メーカーには道修町の精神は受け継がれているものと思います。

 ただ、新薬の開発に何年もの歳月と莫大な費用がかかるため、世界的に大手製薬メーカーの合併が進み、企業が巨大化するとともに利益を優先する経済原理が重視されるようになると、偽物の排除や品質の保持といった次元では語れない問題が危惧されます。

 それは、病気を治す薬よりも、その薬を飲んでいる限りは効果があるという“効くけど治らない”薬がメーカーにとって最も利益を生むということです。現実に、日本は医薬品に関しては1兆数千億円もの貿易赤字で、海外の巨大メーカーの医薬品が売り上げランキングの上位を占めており、その殆どが“効くけど治らない”薬となっています。もちろん病気が治るくすりの研究をしていないとは重いますが、そういった薬は名誉は得られても利益はあまり期待できないのも事実です。

 別に資本主義を否定する気はございませんが、世界的に見て、ここまで企業が巨大化かつ寡占化していくと、人命に直結する医薬品や食品に関して、経済原理を優先していくことは必ずしも人類にとって利益とならないのではないかと思います。

 

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