牛肉と干豆腐の炒めもの


 写真は牛肉と干豆腐(押豆腐)を共に細切りにして醤油味をベースに味付けしたものです。基本的には揚州料理というか上海料理の系統のものです。

 一般的に中国の豆腐は日本のように「にがり」を使わずに、漢方薬でも用いる石膏を焼いて粉末にしたものを使うなど製法に違いがあって、普通の豆腐でも日本のものに比べてかなり固めです。

 写真の干豆腐は更に重しをのせて中の水分を少なくして、チーズくらいの堅さになっています。よって細切りにして炒め物に入れたり、色んな形に加工したり色を付けやすいことから宴席の前菜の飾りものなどにも使用されます。

 中国では豆腐といっても普通の豆腐以外にもこの干豆腐や布豆腐(百頁〜バイイエ)、湯葉などがよく使われますが、これぞ中国というのが文思豆腐(ウェンシートウフ)といって文思という名前の和尚さんが考案したという豆腐料理です。どんな料理かと言えば、普通の豆腐を糸のように細くなるまで包丁で切っていき、スープの具として用いるというものです。日本の普通の豆腐より一回りほど大きな豆腐を2万5000本に切り分けたというのを食べたことがありますが、ここまでいくと見た目もお味も豆腐とは思えない上品な仕上がりでした。

 豆腐の性味は「甘涼」で、薬膳的な効用としては益気和中、生津潤燥、清熱解毒などとなっており、目の充血や喉の渇きをとるとされています。お酒を飲むとすぐに目が充血するといった方にはお勧めの食材といえます。

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