免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」

Photo  表紙の女性のイラストだけ見ると人をバカにしたような印象を受けるかも知れませんが、著者の“みらいクリニック”院長今井一彰医師が診療現場で気付いたあることをきっかけに考案した「あいうべ」体操を実践するだけで、リウマチ、アトピー、潰瘍性大腸炎やリウマチなどの難治性の疾患に驚くほどの効果がみられたという事が具体的な症例を挙げながら解説されています。

  今井院長考案の口の体操「あいうべ」は、大きく口を開けて「あ」「い」「う」「べー」と発声するように口まわりの筋肉を動かす(別に声は出さなくてもいいそうです)もので、「あ」から「べー」までを1セットとし、1日に何回かに分けて30セットを目安にして続けるだけで、口呼吸が鼻呼吸になって、アレルギー疾患をはじめとして多くの難病に効果があるとのことです。

 といっても、「あいうべ」は決しておまじないなどではなく・・・口呼吸をしている人は、舌が本来の位置から下の方に垂れ下がっており、「あいうべ」を毎日30セット続けていくことで、舌が本来の位置まで上がって、自然に鼻呼吸にもどる効果があるとのことです。

 また、口呼吸している方は顔がむくんだりしやすく、「あいうべ」で口呼吸を改善するだけで、小顔になったり、ほおのたるみが解消するなど美顔効果もあることが写真入りで紹介されています。

(「免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」」 今井一彰著、マキノ出版)

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 以前から、現代の日本人は、口呼吸をしている人が多く、口が乾きやすくなって口中の細菌が繁殖しやすくなるほか、免疫に大きく関わっている自律神経のバランスを乱し、免疫の異常からアレルギー疾患などの原因となっていることは指摘されていました

 「あいうべ」は口の周りの筋肉(口輪筋)や咀嚼に関わる筋肉だけでなく、舌の筋肉をも鍛えることで、舌の先が上あごの内側にぴったりとくっつくようになり、自然と鼻呼吸になるという事です(自然に口を閉じた時に、上あごの内側に舌の先がくっつかず、スキマや空間ができる方は舌の筋肉の衰えから、舌の位置が下がって口呼吸を無意識にしている可能性が高いそうです)。

 漢方では、花粉症や喘息、アトピーなどのアレルギー疾患は五臓六腑の「脾」「肺」「腎」の3つに問題があるとされています。口呼吸との関係で言えば、唇~口輪筋と「脾」は関係が深く、呼吸に関しては「肺」は呼気を、「腎」は吸気をつかさどるとされていますので、不自然な口呼吸を「あいうべ」で矯正することは「脾」「肺」「腎」に少なからず良い影響を与えると考えられます。

 よって、本書で述べられていることを漢方的に解釈した場合、十分納得のいくもので、心当たりのある方は是非、本書を一読の上、1ヶ月だけでも「あいうべ」を実践されることをお勧めいたします。

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