皮蛋(ピータン) / ストレスについて(その1)

 皮蛋はアヒルの卵を、石灰やもみ殻、粘土、水などを混ぜ合わせた泥でくるんで2〜3ヶ月発酵させたものです。

 独特のアンモニア臭のようなものが有りますが、お粥に入れたり、揚げ物、炒め物など熱を加えることで臭いはなくなります。

 写真のような前菜では、皮蛋の香りは強いですが、皮蛋の黄身の部分を食べながらビールを飲むと、口の中でビールの味がまろやかに変化します。(一度おためし下さい)

週末topics〜ストレスについて(その1)

 ストレス社会といわれて久しいですが、漢方の世界でも「病は気から」という言葉の通り、ストレスが人間の体に与える影響を重視しています。

 「病は気から」というのは、日本ではともすれば精神論的に論じられますが、本来は約2000年前に書かれた黄帝内経という本の「百病は気より生じる」というのが原典です。

 この「百病は気より生じる」という言葉の本来の意味は、人間の病はまず「気」の流れが乱れることから、「血」や「水」の流れ、五臓六腑の働きなどに支障が生じて、病気になっていくという意味です。

 人体の中を「気」がスムーズに巡っていることが健康にとって大事であるわけですが、ストレスはこの気の正常な運行に影響を与え、「気」が滞ったり、落ち込んだり、逆上したりして、人体に悪影響を与えるわけです。

 ストレスは環境ストレスと精神的なストレスがありますが、環境ストレスとしては「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」の六つ(「六淫」といいます)、精神的なストレスとしては「喜」「怒」「憂」「思」「悲」「恐」「驚」の七つ(「七情」といいます)があります。

 これらの影響を受けて、「気」の流れが乱れるわけですが、漢方では昔から急な気の乱れに対して「気付け薬」と呼ばれるものがあって、主に「芳香開竅薬」と呼ばれる麝香や牛黄などの配合された処方が使われてきました。

 「芳香開竅薬」とは、名前の通り、「香り」によって気の流れを良くするという意味ですが、香水の香りで気分が良くなるように、良い香りというのは「気」の流れを良くしてくれます。

 話は飛びますが、たばこやコーヒー、お酒、チョコレートなど、俗に嗜好品とよばれるものは、総て「香り」「芳香」というものを持っていて、「気」の流れが良くなるという効果があります。(だから、ヤメラレナイのです・・・)

 もちろん、長期にわたって精神的ストレスが影響すると、これらの嗜好品くらいでは効果は期待できませんが、次回からは精神的なストレス(七情)がどのように人体に影響を与えていくのか、また対処方法などについて解説いたします。

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