漢方薬は効く?効かない?

大いなる誤解(5)〜漢方薬は効く?効かない?

 よく、漢方薬って本当に効くんですか?といった質問を受けることがあります。これは、アスピリンって効くんですか?という質問と同じように聞こえますが、実は、漢方の世界ではこういった質問自体が意味をなしません。

 アスピリンをはじめ、西洋薬の世界では「クスリ」と「効能」または「適応症」が一体となっている場合が多く、極端に言えば「病名」が決まれば、それに対応した「クスリ」もおのずと決まります。要するに病名に対してクスリが対応しているので、「効くか効かないか」はその病名に対しての話しになります。

 ところが、漢方の世界では、西洋医学的な病名はひとつの手がかりに過ぎず、漢方的に見た場合のその方の体質や病状に対応して処方が決まりますので、いくら漢方薬のパッケージに書かれた適応症に合致していても、体質や病状が合わなければ効果がないということになります。要するに、西洋医学的に同じ病名であっても、効く人と効かない人がでてくるわけです(もちろん、効かなかった人は、「適応症」は合っていても、漢方的には使い方が間違っているので、そもそも効くはずもないわけです)。

 よって、そもそも漢方薬が効くか効かないかは、パッケージには書かれていない「漢方的に見た病名や病状」とその漢方薬が合っているかどうかの問題になります。現在日本で市販されている漢方薬は古いものでは約2000年前から知られている処方も数多くありますが、裏を返せば、漢方的にちゃんと使えば効くから、ずっと使われてきているわけで、効かないものならとっくに淘汰されていると思います。

 ただし、日本の現状では、漢方薬を病名だけを手がかりに使用したり、あるいは漢方薬の薬効の一部でしかない適応症をとりだして大々的に宣伝したりという風潮がみられるのも事実なので、漢方薬を飲んだけど効かないという方も増えているのは事実だと思います。

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