どくだみ(ジュウヤク)

民間薬解説(1)~どくだみ(ジュウヤク)

 民間薬と言っても、漢方薬としても用いられるものから食品に分類されるものまで幅広いですが、“どくだみ”は最も有名なものの一つといえます。

 一般的には、花の咲く夏の時期に全草を刈り取って乾燥させたもので、これを煎じて服用すれば便秘や便秘に伴う吹き出物、尿量減少などに効果があります。今風に言えばデトックス作用に優れているわけで、どくだみの語源も、“毒矯(た)め”=毒を矯める(矯は“矯正”の矯)から来ています。また、葉っぱなどの汁を外用すれば湿疹や皮膚の化膿などにも有効とされ、十の薬効があることから十薬とも呼ばれています。

 どくだみは中国でも魚醒草とよばれ、清熱解毒・消腫、利水通淋作用があるとされ、肺の腫瘍や痔疾、皮膚化膿症などのほか、尿路感染症などにも応用されています。ただし、これらの目的で使用する時は、あまり長時間煎じない方が良いとされています。また、中国の一部地域では新鮮なものは野菜として料理にも使われているそうです。