鼻やのどの乾燥

わかりやすい漢方講座(その25)~鼻やのどの乾燥

 この冬は、あまりひどい風邪を引かれている方は少ないようですが、風邪気味で鼻やのどの乾燥感を訴える方が多いように思います。鼻やのどの粘膜が乾燥した状態は、声がかれたり鼻づまりしやすくなるだけでなく、ちょっとしたことで発作的に咳が出やすくなったり、新たに風邪を引きやすくなります。

 漢方では、鼻ものども五臓六腑の「肺」にあたりますが、「肺」は「嬌臓(きょうぞう)」とも呼ばれ、体の中で一番上にあって、内臓の中でも外界の環境の影響を最も受けやすく、コンディションを崩しやすい臓腑であるとされています。特に漢方理論では「肺は燥(=乾燥)をいむ(=嫌う)」とされ、乾燥に弱いとされています。

 今年の冬は暖冬気味ですが、昔に比べて、密閉された乗り物や建物の中がエアコンの影響で乾燥しすぎているせいか、漢方で言う「燥邪」が「肺」に影響して、鼻やのどの乾燥感が強く出てきていると考えられます。

 こういったケースでは、「肺を潤す」作用のある、その名も「潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)」というシロップが用いられますが、こういった「内服することでのどの粘膜を潤わせる」という薬効は新薬にはないもので、漢方薬の独壇場と言えます。特に出張や旅行でホテルに宿泊する機会の多い方で、エアコンによるのどの乾燥感に悩まされている方には常備薬としてもお勧めの処方です。

 また、乾燥だけでなく、多少熱もこもった感じで、鼻づまりなども見られる時は鼻淵丸(びえんがん)や辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)といった処方もよく使われますし、空咳を伴ったり、のどに痰がこびりついてしまったような状態では麦門冬湯(ばくもんどうとう)といった処方も用いられます。
 

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