大人組Kansai6月号

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 5月10日発売の「大人組」Kansai6月号の連載コラム「立原啓裕が聞く! 医診伝心」コーナーで「ザ・漢方~入門編~二千年間続く理論体系」という副題のもと、取材を受けました。

 日本医学ジャーナリスト協会会員でもあり、「立原啓裕の自律神経安定法」という著書もあるタレントの立原啓裕さんとの対談形式で、漢方の基本的な考え方について陰陽五行説を中心にお話しさせて頂きました。

 立原さん自身、こちらが驚くほど東洋医学にお詳しいので対談はスムーズに進みましたが、漢方の基礎理論は別にして現代医学では「薬が効く」のと「病気が治る」こととは別物であるという話しに興味を持たれたようで、記事の中でも大きく取りあげられています。

 内容は以前にも書きましたが、漢方では、基本的に自覚症状が改善することと病気が治ることは同じ事ととらえますが、現代医学では自覚症状があっても検査データに異常がなければ、病気ではないとされます。また、検査データに異常がある時は、血圧なり、血糖値なり、“検査数値”を正常にする薬が処方され、確かに薬は“効いて”、検査数値は改善されるのですが、だからといって必ずしも自覚症状が改善したり、“病気が治る”訳ではないというお話しです。

 具体的には、花粉症や頭痛、生理痛などに対する対症療法は言うに及ばず、生活習慣病、老化に伴って進行する疾患などでは、薬を飲んで痛みがなくなったり、検査データが“正常”になることは病気が治ったとは言わないという当たり前の話しなのですが、西洋以上に西洋医学一辺倒とも揶揄される現代日本の医療体制の中では、「検査」→「投薬」→「検査」が繰り返される中、いつの間にか病気が治ることより検査数値が改善することが最終目的のような流れになっていくことが珍しくありません。

もちろん、漢方薬で総ての病気が治るとは言いませんが、新薬が効いてはいても病気が治らないケースでは、薬だけでなく養生法なども含めて漢方の考え方を取り入れられることをお勧めします。

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