健康のための食事のヒント

1977年にアメリカの上院栄養問題特別委員会が発表したマクガバンレポートには、生活習慣病などの病気にならないためには「伝統的な日本食が理想的である」と書かれています。ひるがえって日本の現状は、その当時から見ても伝統的な日本食からますます遠のく一方で、結果的に医療費が国家財政を圧迫するほどにまで膨れあがっているというのが現状です。

漢方の書物には様々な病気やそれに対する漢方処方などが記載されていますが、「食」に関しては最低限きちんとできているという条件の上での病気や薬であるわけですが、現代社会ではこの前提条件とでも言える部分がまったくおろそかにされている上で、病気や薬が論じられているというのが現状です。

最近よく言われる「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病予備群の方や、すでになんらかの生活習慣病にかかっておられる方は、漢方薬や西洋医薬で治療する前にもう一度、過去の生活習慣、特に食生活に関して「伝統的な日本食」と、どれだけかけ離れていたかと言うことを考えてみる必要があります。

「伝統的な日本食」といってもどういったものか想像すら出来ないかも知れませんが、簡単に言ってしまえば

・主食であるお米(できれば玄米)をしっかり食べる

・おかずは野菜を中心にして、タンパク質は大豆(豆腐や豆乳など)や魚から

・味噌汁、漬物などの伝統的な発酵食品を常食する

ということです。

そんな禁欲的な食事は出来ないと思われるかも知れませんが、無農薬や低農薬でちゃんと栽培されたお米や野菜は十分にそれだけでおいしいものです。たまには「心の栄養」のためにも肉でもなんでも食べるのは良いと思いますが、あくまで食事の基本としては伝統的な日本食というものを念頭に置くことが生活習慣病の予防の第一歩であり、また、そういった疾患の治療をスムーズに進めるためにも必須の条件です。