牛黄は神農本草経の上品に収載されるほど古くから知られた高貴薬ですが、本草綱目の中でも李時珍は牛黄について「薬物として高価なることこれ以上のものはない」と書いているほどです。牛の胆石である牛黄は、十万頭あたり1kgしかとれないといわれていますが、中国ではもともと牛は食用と言うより農耕用に飼っており、牛乳についても飲む習慣がなかったため、極めて希にしか見つからなかったであろう事は想像に難くありません。
よく牛黄は中国から輸入されていると思っている人がいますが、確かに江戸時代までは中国から輸入されていたみたいで、大阪にある道修町資料館に保存されている古文書のなかに、明暦四年(西暦一六五八年)に偽薬と紛らわしい三十五種の生薬の取り扱いについて道修町の薬種屋三十三軒が奉行所などに提出した連印帳である「薬種御改指上申一札控帳」の中でも、牛黄は筆頭に挙げられており「一.牛黄、これは唐より参り候内にも、似せ御座候。・・・」とあります。ただし現在では中国からして南米産を中心にその需要量の大半を海外からの輸入に頼っているのが現状です。
さて、現在の世界の牛黄の生産量は約二トン程度と推定されていますが、そのうちの六割以上をブラジル、アルゼンチンなどの南米産が占めており、その他ではオーストラリア、インド等となっています。考えてみれば当たり前の話しですが、牛が沢山放牧されているところでしか牛黄の産出は望めない訳で、現在の日本のように穀物飼育で丹念に育てられる牛にはなかなか胆石が出来ないそうです。
それでは牛黄の消費量について見てみますと、日本、韓国がそれぞれ7〜800kg、中国が500kg、台湾が100kg程度と推定されていますが、中国の経済成長に伴って中国の消費量は年々増加傾向にあります。要するに牛黄は世界でも日本、韓国、中国の三カ国で消費されているわけですが、他の生薬と違って、この三カ国では牛黄の使用に関してそれぞれ微妙に違いがあります。中国では、この連載の第一回目にも書きましたがSARS騒動の時に大量に使われたように清熱解毒を目的に使われることが多く、韓国では牛黄清心丸として用いられることが多いのですが、その牛黄清心丸も中国の使い方とは少し違って、もっぱら滋養強壮的な意味合いで使われます。
さて、日本に於いても昔は救急救命の霊薬として六神丸などに配合されることが多かったと思いますが、戦後のある時期から高級なドリンク剤に配合されるなど、強壮目的に幅広く使われようになって今日に至っています。それぞれの国に於ける牛黄の使い方について、どれも間違ってはいないと思いますが、日本や韓国の使用状況を見てみると、中国由来の漢方理論だけでは説明しきれないというのも事実です。

|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
漢方薬のことなら漢方薬局
漢方マルヘイ薬局へ
大阪府大阪市中央区道修町
1-5-4
電話 06-6222-3880
FAX 06-6222-3176
e-mail info@kampou.com
<主な取扱商品>
イスクラ産業、クラシエ薬品(旧カネボウ薬品)、ツムラ、救心製薬、サンウェル、堀江生薬、日誠マリン、栃本天海堂 等の漢方薬、健康食品、生薬(高貴薬)、ハーブ、サプリメント
|
|